Слова дня / 今日のベラルーシ語 (2016.04.11)
今日の単語は крэсла (クレースラ)。意味は「椅子」です。
「椅子」を意味するкрэсла (クレースラ)という単語を聞くといつも思い出すアネクドートがあります。それはあるベラルーシ語の先生が教えてくれたもので、「釘の飛び出た椅子にロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人が順番に座る」というものです。今日はそのアネクドートを紹介しようと思います。
※アネクドート自体に三者を皮肉った描写がありますが、私個人が三者のいずれかを特別侮辱する意図はありません。
暗い部屋の中に、釘をとがった方が上に突き出るように打ち込んだイスを置いた。そこへロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人が順番に座った。
まずロシア人が座った。
ロシア人は釘の上に座るなり飛び上がり、悪口雑言を吐いて罵った。
次にウクライナ人が座った。
ウクライナ人も釘の上座るなり飛び上がったが、手探りで釘を探し出して引き抜き、そしてポケットに入れた。「家事か何かの役に立つだろう」と呟いた。
最後にベラルーシ人が座った。
ベラルーシ人は釘の上に座ると、思わずちょっと腰を上げたが、「А можа, так і трэба? (いや、もしかしてこのままでいるべきなのか…?)」と言ってまた座ったのであった。
このアネクドートはベラルーシ人に対するステレオタイプの1つである「忍耐強さ」を皮肉ったものです。周辺国からの支配、第二次世界大戦での壊滅的な被害など幾多の苦難に満ちた歴史を「耐え忍んで」きたベラルーシ人。耐え忍ぶことが常になっている故にそれが行き過ぎて、ついにもはや自ら進んで苦難を選んでしまった、というところがこのアネクドートの「ツボ」なわけですね。
悪口雑言を吐くロシア人、釘をポケットに入れてもって帰ったウクライナ人という描写にもベラルーシ人からみた隣人へのステレオタイプの一端が見え、興味深いアネクドートかもしれません。もちろんステレオタイプと現実とは別の話というのも忘れてはいけないですが。
2016.04.11の単語:「椅子」крэсла (クレースラ)
文責:清沢