Слова дня/今日のベラルーシ語(2016.05.31)
- 今日の単語はгорад(ホーラト)。意味は「都市・町」です。
ベラルーシ西部の都市フロドナ(гродна)の街並み。
第5回目と6回目の講座では、町に関するベラルーシ語の詩を解説しました。
基本的にベラルーシ語で町はгорад(ホーラト)と言います。ただし、講座で取り上げた詩では、町を意味する言葉としてместа(ミェースタ)という語が使われていました。
ベラルーシ語の辞書を引くと、意味はどちらも「町」なのでほぼ同義語だとわかります。辞書にはместаは「口語」とありますから、一般的には広く使われているгорадを使っておけば無難でしょう。
ここからはほぼ雑学になります。горадとместаという同義語について、もう少し考えてみましょう。
Горадは、媒体を問わず一般的に使われる語彙です。現地の大学で教わったのもこちらでした。
一方のМестаは、口語のほか文学で広く見られます。特に19世紀から20世紀初頭のベラルーシ詩では、горадよりもこちらの方が良く使われているように思います。
近隣諸国の言語と比べてみると、горадがロシア語のгородとほぼ同じであるのに対して、местаの方はポーランド語のmiasto、ウクライナ語のмісто、リトアニア語のmiestas(意味はいずれも「町」)に似ています。ちなみに、ロシア語にもベラルーシ語のместаと同じ発音のместоという語がありますが、こちらの意味は「場所」になりますね。
Горад/местаのような同義語は他にも多くあります。ベラルーシ語は会話や文章にその使い手の個性が強く出る言語です。「町」と言いたいときにгорадを使うかместаを使うかということにも、各人の考え方や趣向が反映されるのでしょう。
なんだかややこしく感じられるかもしれませんが、上に書いたように、基本的にはгорадの方を使っておけば何ら問題ありません。
ベラルーシの首都ミンスクにはверхні горад(ヴェールフニ ホーラト:上の町)という地区があります。これはミンスク中心部の高台にある一地区のことで、範囲は異なりますが東京で言うところの「山の手」のようなものかもしれません。
Верхні горад。ミンスクでも特に美しい地区の一つですが、なぜかガイドブックにはあまり取り上げられません…
2016.05.31の単語:「都市・町」горад(ホーラト)
文責:柴田